穢い私を見ないで下さい

汚れた私は貴方には相応しくない

それでも、貴方は私を選んでくれますか

本当の私を受け入れてくれますか


【 君は戦闘とともに in ノマシカ編 】


「ただいまだってばよ〜」

ナルトはいつも通りに仮の自身の家に足を踏み入れる。勿論、自身の恋人となったシカマルの気配が中にあるということは分かってはいる。だが、ドベのナルトはわかるはずも無いのでいつも通りの帰宅を演じる。

「よぉ、おかえり」

「・・・うわ、シカマル居たんだってば!?」

本当に今気がついたというように反応する。

「いちゃわりーか」

そう答えが返ってこれば首をふることで否定する。

「うれしいってば」

と加えて答える。自身が嘘で固めている中の真実の言葉。
真実を言えないことが後ろめたいと問われれば確かにそうだろう。しかし、真実をこの恋人に言えるかと問われれば否である。信用できないとかその前に、自身の汚い内に触れて欲しくないのだ。
シカマルは綺麗なままで居て欲しい。忍である以上無理である。せめて、自身の手は使いたくない。自然に馴れるようになればと願うまでだ。

その時、自分を否定することがなければいいと

「ナルト...?どうした」

ナルト自身にすれば数瞬だったが、どうやらそうでもないくらいに思考は堕ちていたようだ。
シカマルによけいな心配や心遣いはかけたくない、だから自分は演じるのだ。

「ん〜、なんでもないってばよ」

いつも通りににぱっと笑う。そうすればシカマルは簡単に信じてくれる...ハズだったのだ。今までであれば...


「そうか...って言えると思ってんのか?」

「・・・なにがだってば?」

今日は今まで通りにはいかなかったようで、ナルトは内心では焦るがそれをだしたりはしない。

「俺はこれでも目は利く方なんだけど?」

「だから、なんだってばよ」

いつも通りにすれば騙されてくれる。そう思いながらも、いつかは来るだろうと予想はしていた。賢い彼だから。一緒に居るようになればわかってしまうと、それでもシカマルと居たかったからしかたない。だが、決定的なことは出ていない。だから、もう少しだけシラをきる。

「ナルト、お前は何を隠してる」

「シカマルに隠すことなんてないってばよ?」

あくまで普通でなければならない。

「それ、可笑しいだろ?」

「なにがだってば!」

「言葉だよ」

遠からず近からずな台詞。まだ、安心は出来ない。

「言葉?」

「そう、お前の'だってば'つーのが一つ目」

シカマルはナルトを真っ直ぐと射抜くようにみる。

「二つ目は...これ」

そう言ってシカマルがナルトに見せたモノは...

「なんで・・・」

「下忍のお前の家になんで暗部面と暗部服があんだ?」

シカマルが出したのは確かにナルトが使用するために隠していたもので、探すモノがいないと思い普通に片付けて居たのがいけなかったのか。

「なんでだろう」

そう言うのが精一杯だった。

「もう一度言うが、ナルト お前は何を隠している?」


隠すのは無理だと悟るしかなかった。ならば・・・

「・・・仕方ありませんね。」

シカマルに嘘をつくことはもう出来ないと思ったナルトは、本来の姿をだすことを決めたのだ。

それは鮮やかな変化

「それが、ナルトなんだな?」

「そうです。シカマルが推察するように、私は暗殺戦術特殊部隊に所属しています。」

ほとんどの感情がぬかれ温度がなくむしろ冷たい声音と感情のない無表情な顔。
シカマルは一瞬内に背中に電流が流れた。それは、心地良く甘美なモノで、シカマルの顔は自然笑みが浮かぶ。

「それで、貴方はどうするのですか?」

ナルトの内にあるのはシカマルからの別れの言葉。受け入れて貰えるなど選択には入っていない。否、選択する権利すら自身にないのだと疑わない。

「なにもしねーよ」

その言葉に裏を感じさせるモノはなくて、ナルト自身信じられずに否定する。

「なぜです」

諦めていたのだ、全てを。好意をよせたとして帰ってはこない。里を思うだけが全てだと。

「俺は知りたかっただけで、何かをしたいわけじゃないんだよ。」

シカマルはそう言って苦笑した。

「ですが...」

自虐的思考はナルトの出生なら致しかたないのかもしれないが、それをシカマルは許さなかった。

「ナルトはナルトだろ。俺はそれだけで充満だ」

そう言ってナルトを抱きしめる。

「では、なぜ...?」

そう言えば、シカマルらしい答えが返ってくる。

「ただ、気になったから」

賢くて知識欲があるゆえの好奇心。ただの確認にすぎないのだろう。

「そうですか」

「あー、あとナルトのことで知らないことがあるのが許せなかったんだ」

嬉しすぎる言葉。
それにナルトは涙腺が緩み涙を零した。

「ありがとうございます」

それしか頭に浮かばなかった。

「ナルト、これから俺と居るときは素でいろよ?」

それは絶対的な約束

「はい」

「なぁ、こっちむいてくんねぇのか?」


「それは・・・」

今は無理だと言う前にシカマルの指がナルトの顎を軽く上にとあげた。

「これからも一緒に居てくれるよな?」

優しくそれでいて有無を言わせぬ視線。

「私なんかで良いのであれば・・・」

「ナルトが良いんだよ。」


その言葉と共に優しい口付けがふってきた。

「・・・っん」






そのあと

「今日、何してたんだ?」

「任務ですが?」

「...そうか」

「信用してませんね?」

「してるぜ」

「まぁ、良いです。今日は泊まりますか?」

「おぅ、あ...続きすっから」

「・・・!?///」


なんてことがあったりなかったり...



end

最初と話が...
アンケートのコメントを参考に書かせていただきました。アンケートに参加してくださった方々本当に有難う御座いました。。











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