余裕がない
いつもならこんなことにはならなかった
ただ、貴方が足りなくて
欲しくて仕方なかったんです
【 君は戦闘と共に 】
里は熱気に包まれていた。殺気に近いモノを出すやからすらいるほどだ。
さて、何故今このようなことになっているのかというと至極簡単なことである。
今日(ホワイトデー)はナルト(くん)と一緒(いちゃいちゃ)したい。
と言うナルト大好き人間たちが個々に熱気を発していたのだ。
この熱気(殺気)は下忍だけに止まらず裏の暗部に上忍や特別上忍までもが加わっていて、忍でない一般人はこの空気が異様なために外にでようとしない。(懸命な判断だろう)しかも、普段は開いているはずの店と言う店もしまっていた。(こちらも懸命な判断だろう)
舞台は整ったあとはあの子が来るのを待つだけ。
バッチコ〜イ
と両手を広げて待っているモノ多数(皆さん今ならこいつ等殺せます)しかし、想いの君は表れない。
考えた人間は
あの子は意外性No.1だ。忘れているのかもしれないと、あの子のもとへとかける。勿論、周り同様ならばあの子を独り占めするために戦闘が起こるのは当然で...
バトル.01
カカシvsサスケ
場所/とある商店街
3
2
1
ファイト
両者睨み合う
おっと、先に手を出したのは意外でもないがSASUKEだ
あれは、カカシ上忍の唯一のオリジナル技
TIDORI!
カカシ上忍が使用するときのみRAIKIRIと言う別名になる。
共に五月蝿いことこの上ないが致しかたなかろうこの状況に一人の人間が飛び込んだ。
「止めるってばよ!」
二人が戦闘する理由の子が表れた。サスケが先手を打とうとしたその時である。勿論、カカシも雷切りを準備していた。
が、その子によって戦闘は回避された。
「「ナルト」」
「サスケもカカシ先生も何してるんだってば!」
好きな相手は超がつくほどの鈍感なお子様、二人が何のために戦っていたなんて知るよしもない。
「仲間は大切にするんじゃなかったのかよ!カカシ先生!」
この言葉に焦るはカカシ逆にサスケは余裕顔だ。
「サスケもなにも商店街まで巻き込むなってば!」
その言葉にサスケもあせる。
「「ナルト、あのな....」」
二人してハモるがこの際気にしてなんていられないと言葉を発するが、
「言い訳は聞かないってば!」
その言葉に二人してだまる。
「二人とも修業するなら演習場いけってば!」
二人にそう言い捨てて、ナルトは涙を浮かべて去っていった。
勝者/ナルト
破損物/商店街の道路50m
残ったのは、泣かしてしまったと後悔する石像2体のみだった。
バトル.02
暗部vs暗部
場所/火影岩付近
3
2
1
ファイト
そこには、2小隊の暗部がピリピリとした殺気を放ちながら睨み合っていた。
個々で勝負するよりも先にある程度潰してしまおうという戦略であろう。
先に動いたのは暗部b班(仮)だ。
大技は使わずにクナイや手裏剣のみ。しかし使い馴れていれば確実に相手をしとめることが出来る。
カキン カッ
と言う金属がぶつかる小気味良い音がする。そしてこんなにも殺気(と熱気)が充満しているというのにそれを気にもせずに突っ走ってくる少年が一人。
「やめるってば〜」
ドップラー効果のように徐々に大きくなる声は愛して止まぬ少年のモノで
「なにしてるんだってば!」
ナルトは少しばかり息切れしながらもキッと暗部の輩を睨む。(可愛いだけだよ)
暗部の連中は答えない。
「暗部さん、ここはオレのお気に入りの場所なんだってば。だから、ここで模擬演習はやめてってば」
その言葉に暗部連中はわかったというように頷いた。
それをみたナルトは目尻に涙を残しながらも微笑みながら
「わかってくれてうれしいってば!」
と言いながらその場を去った。
勝者/不明
破損物/火影岩一部損傷
残ったのは、ナルトの笑顔に惚けてしまった暗部数名だった。
この様なことを繰り返していたナルトの頭上に忍専用の鳥が旋回していた。
「.....。」
それを見たナルトは一瞬の思考の後にその場から文字通り消えた。
***
「何でしょうか、三代目」
ふっとナルトは三代目火影の執務室内に姿を現した。
「急な呼び出しすまぬな」
三代目は目尻を緩ましてナルトをみる。
「かまいません...」
「して、任務は終わりそうかの?」
三代目が言った任務とは
昼間のナルトに好意を寄せるモノたちの乱闘を止めると言うものである。勿論、昼間のナルトが止めなくては意味がないので、こうして里内の至るとこにある異様な空気をのあるところあるところをまわっていたのである。
「はい、先程終了致しました。」
その言葉に軽く息を吐く三代目。
「そうか、ところでお主うれしそうじゃの。」
とナルトを注視しながら問う
「そうですか...?」
ナルトは何も感じない声音で答える。
「まぁ良い。今日はもう下がって良いぞ。」
「了」
その声が部屋に響いた時にはナルトは執務室から消えていた。
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